2012年8月18日

8/18 ミニトーク1「Meets 福しま 〜福島のいまを知る〜」


ワークショップエリアpihaでは、eco-reso boothで
東日本復興支援をテーマにしたミニトークを展開中です。
本日ひとつめのトークテーマは「Meets 福しま 〜福島のいまを知る〜」。
Meets 福しまの宍戸慈さんと木下真理子さん、
そして福島大学の小山亮太准教授が、福島の現状とこれからについてトークしました。


今、まずおこなうべきことは「汚染マップをつくること」だと小山さんは言います。
正確な汚染状況を知り、5年後、10年後にその度合がどう推移していくのか。
それが分かれば、「今はこの場所で暮らすことができないけれど、
子どもが中学生になるころには戻ってこられる」といった予測をつけることができるのです。


また、原発事故直後に福島の野菜から出た放射性物質のほとんどが、
野菜が吸収したものではなく、飛散して降り積もったものだったのだそう。
そして、豆類やラディッシュなどは放射性物質が蓄積しやすく、
きゅうりやキャベツなどは蓄積しづらいなど、
野菜によって蓄積の度合いが異なることを、表を使って分かりやすく教えてくれました。
「きのこは放射性物質を蓄積しやすいので危ないと一般的に言われていますが、
私たちがスーパーで買って食べているのは、ほぼポット栽培をしているので安全なんですよ」
と小山さんが説明をすると、会場からは納得と驚きの声があがります。


客席には東北から来ている人も多かったのですが、
「このことを知っていた人?」と宍戸さんが問いかけると、手を挙げる人はちらほら。
「私たちには情報やデータがあっても、
どのようにして多くの人に伝えたらよいのか分からないのです。
ですから、Meets 福しまやap bankが、
ビールを飲みながらでも分かるような伝え方をしてくれるといいなと思っています」
と小山さん。

木下さんが語った「今、福島はいろいろな問題に直面して、一人ひとりが家族や食べものに
向き合い、自分なりの答えをだして踏み出そうとしています。私はそのことに悲しみだけではなく、
喜びも感じているんです。この福島から日本を変えていくことを伝えたいです」という言葉には、
福島で暮らす人々をつぶさに見つめ続けてきたからこその重みがあり、
どんな慰めや励ましの言葉よりも、希望が溢れています。


「こうして出てきたデータを政策に活かしていければ、東北型の新しいコミュニティを
生むことができるのではないか。そして、それこそがこれからの日本が必要としている
モデルケースになると、本気で思っています」と、小山さんが熱く語ると、
それに応えるように会場からは大きな拍手が巻き起こりました。